庭園文化史と知識の社会史の記録

庭園文化史と知識の社会史に関しての考察を綴ります。

fictionとnovel

「日下部さんは論文を書くより小説を書いた方が良いですよ。」と後輩の浅野君(仮名)から言われたのは3年前の夏。新宿の屋上ビアホールでのことだった。

 他人からの言葉をすぐに真に受けてしまうのが日下部君の悪癖であって,さっそくfacebookで「小説家宣言」を酔った勢いでしてしまった。翌朝,文面を見て若干後悔したが,当時研究に自信が持てなくなっていたので,小説も書いてみるかと実際に何作か書いてみた。若気の至りとしか言いようがない。

 しかし,小説というものをそこまで好んで読んでいたわけではなかったので,小説についてあまり知らない。早晩行き詰った。以来,小説は書いていない。

 一方で,庄野潤三の「晩年シリーズ」なんかを読むと,これが小説なら書けるかもしれないとも思う。小説は英語でfictionだが,novelともいう。novelとは本来「新しい」という意味なので,物事を新鮮味にあふれた文体で綴れば,それは既に「小説」なのではないか。全くのつくりごとが小説とは限らないのである。

 そのような思いを漠然と抱きながら一日を送っていたが,最近,学部時代の友人永瀬君(仮名)から「また小説書いたら」との言葉をもらった。近々このブログで発表するかもしれない。とはいえ,このブログの趣旨は,あくまで国語力の向上・維持。ほどほどに続けることにする。